セカンドウィンド

2012年09月04日


























ここ一週間!家にいるときは
つかず離れずというか
ずっと 地図としおりと「セカンドウィンド」を読む読む・・!
娘が 自転車で北海道最北端宗谷岬に向って ひたすら走っているので
いったい今どこ?と地図で追っています!
スケジュールを書いた しおりも作って送ってくれたので
それと照らし合わせながら・・・
























そして、「セカンドウインドウ」は
娘と自転車愛好会の二人の男子くんに
同行してしてくださっている 
娘たちの大学の教授でもある
川西蘭氏の小説です!
1・2と読み終えましたが
自転車小説であり青春小説でもあり
全く自転車には無知だったので
その、楽しさをとってもっとっても味わい
私も連れて行ってもらいましたよ!!
読書ってやっぱり楽しい
自分では出来ない、体験できない世界にどっぷり浸かれるんですもん
ドラマでも、映画でもなくって
頭の中にちゃんと自分だけの映像があって、流れていて
じわじわと感じるもの
そして、主人公や登場人物たちと一緒に考えたり、学んだり出来るんだから。

本日ようやくたどり着いた宗谷岬は 
風速25メートルだと一報が入りました
たどり着くまではずっとお天気で
毎日の連絡では
風景に感動感動で
体調も絶好調!といってましたが
最北端の岬で 風に吹かれてどんなことを考えたろうか!

20歳の大冒険はとりあえず
帰路へと・・
毎日100キロ以上走って、テントで寝て
出会った人の優しさにも触れたとか・・
また話を聞くのを楽しみに!!わくわく
それにしても 同行して下さった川西蘭先生には
感謝感謝です
小説では 描写が本当に繊細で 手に取るように見えてきます。
愛されるべき作品!
たくさんの方に 少年少女にも読んでほしいものです。
お会いして今回のお礼を言えるまでに 川西作品をまだまだ 読むぞぉーー
おうち文庫でも、貸出しいたしま~す
















・・セカンドウィンド  川西蘭 (小学館)
セカンドウィンドとは・・・
第2呼吸。長距離などで運動を始めてしばらく苦しい呼吸の時間が続き、
デッド・ポイントを通過すると、突然呼吸が楽になる。
之をセカンドウィンドと呼ぶ。疲労に対する適応反応とされ、
呼吸旬間機能の促進により、酸素需要量と酸素摂取のバランスがとれ
円滑な運動の持続が可能になる。(本書より)

・・坂を上がるのはひとりだ。頼りになるのは自分の力だけだ。
誰かに手助けしてもらえば、その時点でヒルクライムは終了する。(中略)
でも、一人で戦う時にも相棒はいたほうがいい。
相棒がいてくれるから、ひとりで戦えるのだ。・・・・(1から抜粋)

人生を歩む中で、心に残る一節ですね


  


Posted by あこちゃん at 19:45Comments(0)小説

日の名残り

2012年08月19日


熱い暑いこの夏に
ふっと心静かになれた時間
「日の名残り」カズオイシグロ著 土屋政雄訳 早川書房

これは以前もご紹介した「私を離さないで」の作者 カズオイシグロの作品です。
お友だちの ほうき星さんからお借りしたのですが
オリンピックでにぎわったイギリスが舞台です
でも、イギリスと言っても
田舎の田園風景が美しい場所
そして、あるお屋敷に仕える 執事が物語ります
こういう 外国作品を読む時、お共にするのが メモ!
登場人物や取り巻く人の名まえ(カタカナなので頭に入りにくいの)や
ちょっとした キーワードみたいなのは、メモリます
一気には進まないので(特に始めの方)
何日か 日常生活をこなしながら(お盆をはさみましたし・・face10)の読書には
結構つぎの読み始めにいいのです!
そんな感じで
お盆でのあわただしさの過ぎ去ったあとは
一気に 本の世界にどっぷりしました!
初老の執事が、 主人から休暇をもらい、長い間果たせなかった再会へと出かけます
ご主人から借りたフォードで。
目次はこのとおり
 プロローグ   1956年7月 ダーリントン・ホールにて
 一日目――夜  ソールズベリーにて
 二日目――朝  ソールズベリーにて
 二日目――午後 ドーセット州モーティマーズ・ボンドにて
 三日目――朝  サマセット州トートンにて
 三日目――夜  デボン州タピストック近くのモスクムにて
 四日目――午後 コーンウォール州リトル・コンプトンにて
 六日目――夜  ウェイマスにて
(目次を紹介するのはほうき星さんブログでいいなあ!と思いマネしました)
回想していくその中で 本当にイギリスの伝統的なものに触れたり、
過去の栄光 伝統への郷愁・・それが執事という品格がそこにあってこそなののかもしれません
改めて カズオイシグロの作家力が光ります。
そして、このタイトル「日の名残り」
終盤 再会を果たした彼が 通りすがりの男に言われた言葉に
読んでいて ハッと気が付きました
イギリスの比喩なのかもしれませんが
自分も きっと 今 人生の折り返し地点も過ぎたので
日の名残りをきっとこれから楽しむのであろうと
・・・じんとした部分でもありました

 ・・・:・「人生、楽しまなくっちゃ。
夕方が一日でいちばんいい時間なんだ。
脚を伸ばして、のんびりするのさ。
夕方がいちばんいい。
わしはそう思う。
みんなにも尋ねてごらんよ。夕方がいちばんいい時間だって言うよ」・・・

夕方の、まったりとした感じ、好きな時間です

読後 美しい物語だった・・・と本を閉じ、
やっぱり 読書は幸せをもたらすなと感じずにはいられませんでした

そんな矢先
お友達のしまさんから すてきな海に沈む夕日の写真が送られてきて
やっぱりきれいだな・・
そんな人生の後半を送りたい・・いい時間にしたいねって思いました

ほうき星さんに改めて 感謝!(読後感のまだ残る中 偶然お買い物にい行ったら
ばったりお逢いしたのには なんか、ドキドキしちゃいました・・)
ほうき星さんブログ Book and Teahttp://plaza.rakuten.co.jp/bookandtea/
も、読書情報満載です
カズオイシグロを、英語の原文で読むのに挑戦するそうですよ!!
その感想も、楽しみ楽しみ

ほうき星さんにあやかって 私も原文で!!


「IN THE FOREST」 
Story and Pictures by MARIE HALL ETS
Caldecott Honor Book


「もりのなか」マリー・ホール・エッツ で日本では茶色と黒色で描かれているのですが
今回私が 黒姫童話館で見つけたのは 緑色と黒色!
ちょっとすてきでしょ・・
読んでみたら なかなか すてきな英語の響きです!

他にもブログから 読みたいと思って購入した

「僕らは星のかけら」マーカス・チャンウン著 糸川洋訳 ソフトバンク文庫

「つながる読書術}日垣 隆著 講談社現代新書

こちらも、積ん読にならないように 読むぞぉぉ!!(「僕らは・・・」は理系じゃない私、悪戦苦闘)
 おうち文庫にて 貸出し中!!  


Posted by あこちゃん at 10:43Comments(0)小説

読み比べブックトーク

2012年06月26日

「ピエタ」 大島真寿美著(ポプラ社)


18世紀、爛熟の時を迎えた水の都ヴェネツィア。
『四季』の作曲家ヴィヴァルディは、孤児を養育するピエタ慈善院で
〈合奏・合唱の娘たち〉を指導していた。
ある日、教え子のエミーリアのもとに、恩師の訃報が届く。
一枚の楽譜の謎に導かれ、物語の扉が開かれる――




ほんとうに、ほんとうに、
わたしたちは、幸せな捨て子だった。


史実を基に豊かに紡ぎだした傑作長編!

ほんとうに知りたかったのは、
母の正体ではなく、あなたの正体だった。
ほんとうはそうだったのに、そうと気づいたのはうんと後になってからだった。
あの人は誰だったのだろうと記憶の断片を取りだしては眺めてみる。
しげしげと眺めてみる。
どれだけ眺めても明瞭な答えはでない。
わたしはあの人の素顔を見たことがないから。(本文より)

聖と俗、生と死、男と女、真実と虚構、絶望と希望、名声と孤独・・・・・・
あらゆる対比がたくみに溶け合った、これぞまさに“調和の霊感”!


お友達からお借りして読んだ一冊!
「壮大な物語ですよ!」と言って手渡され一気に読んでしまいました。
作者の大島さんの 取材力も圧巻でした。
ヴェネチィアの風景も ものすごく浮かんできて、
連れて行ってもらいました。
心の動きが 外国なのにどこか身近にも感じられるのは
やはり日本人の作家さんだからなのでしょうか。
それから
この本を読んでいる間中
以前読んだあの一冊がずっと ダブっていました。
孤児を養育する施設・・・そして 会ったことのない母親への想い
どこか共通なものが 私には感じられました。
舞台は違うのだけど
その心の動きが似ているのか・・
いや、違うのだけど・・・
もう一度読み返してみなくっちゃ・・。
孤独・・それは逃れられないものがあるけれど
この一冊は
驚きの結末が この本の題名に繋がります。
せつない・・
フィクションなのに
現実でもあるかのような 離さない想いにかられます。
カズオイシグロさんの本をもっと読んでみたくなる吸引力もあった一冊でしたよ。

「私をはなさないで」カズオイシグロ著(早川書房)

自他共に認める優秀な介護人キャシー・Hは、提供者と呼ばれる人々を世話している。
キャシーが生まれ育った施設ヘールシャムの仲間も提供者だ。
共に青春の日々を送り、かたい絆で結ばれた親友のルースとトミーも彼女が介護した。
キャシーは病室のベッドに座り、あるいは病院へ車を走らせながら、
施設での奇妙な日々に思いをめぐらす。
図画工作に極端に力をいれた授業、毎週の健康診断、
保護官と呼ばれる教師たちの不思議な態度、
そして、キャシーと愛する人々がたどった数奇で皮肉な運命に…。
彼女の回想はヘールシャムの驚くべき真実を明かしていく—

介護士のキャシーは、全寮制の学院での青春の日々を思い出す。
次第に明かされる衝撃の事実を、世界文学の第一人者が痛切に描く傑作。


さて、このようなブックトークを
おうち文庫では開催します。
ぜひぜひご参加ください!
本好きな仲間集いませんか?
ご連絡お待ちしています。


  


Posted by あこちゃん at 21:50Comments(0)小説