2016年 1月の開館日

2016年01月05日

雪のない、長野にしてはあたたかいお正月です

物足りなさも感じはしますが

のんびりとしたお正月に、あたたかいおひさまの日差しは

ゆったりまったりさせてくれました

今年一年が 平和でおだやかであってほしいと思います

去年の暮れに 児童センターに 行ってきました

いつも 児童センターに伺うと 小学生のエネルギーに圧倒されます

100人超える子どもたち

学校から解放され みんな わいわいがやがや 

保育士さんの「おはなしの時間が始まるから、静かに!!」っていう声も全く聞いてない

2学期も終わるので この日はより 騒がしかったので

・・・・こんな時は・・・・

「これから ちょっとこわいおはなしをしたいと思います」

とたんに こども達の興味が集中!

不安な顔をした子もいたけれど・・

みんなの耳に心に 届ける

こわい!と言っても 幽霊やお化けがでてくる、とか

残酷というものではありません

主人公が 陥る危機を乗り越えていく

それを こわいおはなしとしています

子どもたちは実は こわいおはなしが大好きです

こわいおはなしを好きなのは 成長しようとする気持ちの表れ

こわいおはなしを聞きながら、

その不安と向き合い乗り越える心の準備をしているのでしょう

おはなしの中で 乗り越える経験を積んでいる子は

本当に困難に出会った時の力になっていると

私は 語り手として 信じています

絵本でもいいと思うのですが

耳で聞いて、イメージとしてのトレーニングを積むことは きっと役に立つ

成長していく過程での 魔法のつえになると思うのです


児童センターで  少し落ち着いた声で語り始めると

一瞬にして しーんとして みんなの眼が、こちらに向けられました

そして 13分後 

語り終わった時の 安堵感が聞き手から湧き上がりました

「主人公が危機を乗り越えたように みんなも勇気をもって いろんなことにチャレンジしてね!」

2015年の締めくくりのいいおはなし会になりました 

2016年も

おはなしを届ける 

頑張りたいと思います

1月の おうち文庫開館日は

   1月  15日  22日(AMのみ)  29日 金曜日
   
    AM 9:30  から 11:30
    PM 13:30 から 16:30

   



本年も よろしくお願いいたします!




  


Posted by あこちゃん at 17:54Comments(0)語り

おはなしを届ける

2015年12月15日

語りを届ける・・・

昔ばなし大学で学び始めてもう、8年余り

昔ばなしの、語法を学んだり

昔ばなしの調査にも行ったり

再話研究し、土地言葉も調べたり・・・


そんな中で 昔ばなしの語りも研鑽してきたのだけれど

今年は 定期的にこどもの森幼稚園で 語る場を持たせてもらってきました


語りを聞くというものは しーーんとして聞くというのが よく思い浮かぶのかもしれません

語り手」にとっても そのほうが 語りやすい

だけど こども達に 楽しい話を届ける時、楽しい場面は 笑い声だって自然に出ていいし

リラックスして聞いてほしいと 思うのです


こどもの森で語る時、語り手と聞き手が慣れている関係というのもあると思うけれど

リラックス感はあって、笑い声も楽しい場面ではわきおこる

ただ、年長さんから年少さんまでが一緒に聞いているので

年少さんの一部がその笑うというところに 心がとらわれてしまうという様子もある

でも、それはとても自然で、この幼稚園の子供たちが

規制されて育っていないからだろうかと うれしくもなります

「しずかにしなさい!」っていう 指示が ある園や 学校もあるから。



笑いが起こっても じきに、おはなしの聞き手にもどってくる

そして、大きい子が そっと声をかけたりもしてる

先生ではなく 聞きたいと思っている子が自然にそうしてました

それから 語り手の顔をじーーと見つめて、どっぷりとおはなしの世界にはまっている子もたくさんいて

その視線はまぶしいほど。

その子たちのまぶしさがあると、語り手の心もまた、どっぷりとおはなしを楽しんで語ることができる


そして、毎回そうなのだけど、

おはなしが 

「おしまい」とか「とっぴんぱらりんぷー」などの 結末句でしめくくられると

ほーっという おはなしの世界から戻ってくるそのほどけたゆるりとしたものに 皆が満たされる




あーーおはなしを届けてよかったな

この子たちと おはなしの世界を旅できてよかったなーー

って 心から思うのです



これまで 語りの勉強で 何人かの先生のもとで 

時に厳しく 教えていただいてきた

そのさまざまなことは 心に体に染みている

だけど

 わたしには わたしにしかできない語りがある


自分らしい語りを 届けていきたい


こどもたちに!!


  


Posted by あこちゃん at 22:51Comments(0)語り

グリムの語り ラプンツェル

2012年10月08日



黒姫童話館にて、
グリムを語ってまいりました。
グリム生誕200年ということで
企画された催しです。
この日は
「かえるの王さま」
「ラプンツェル」
「池の中の水の精」
「かしこいグレーテル」
・・・語るためのグリム童話(小峰書店)
この4作品でした。

上のオットウへローテの絵の中にも これらのおはなしの絵がかくれていますね

語りをするようになって、とてもよいのは
自分の中に、おはなしが生きている感覚が味わえることでしょうか

今回、私の担当したのは
「ラプンツェル」


やっと子どもをみごもったおかみさんが
裏の庭にはえているラプンツェルをたべたくなり
夫がとってきて食べさせます
それは おそろしい魔女の庭のもの。
おこった魔女が、それと引き換えに
生まれた女の子にラプンツェルと名前を付けて連れて行ってしまいます。
そして、一番美しくなったラプンツェルは
高い高い塔の中に閉じ込められます。
その塔には扉も階段もなく上のほうに小さな窓が一つあるだけ・・・・・

と、続くおはなし。
この魔女は、ちょっとおそろしく感じますが
グリムははじめ
魔女ではなく妖精としていました。
(実際、このお話は、ドイツの昔から語り継がれてきたものをグリム兄弟が、集めたもの
なので、そう語られたのでしょう)
あまりに美しいラプンツェルを 守っていたのかもしれない
そんなことも思ったりしながら

実に3か月はこのラプンツェルにとりついていた私です。

そして、このお話に愛があふれていることがわかり
さらに、好きになり
聞いてほしいなという気持ちもいっぱいになりましたよ

「ラプンツェル ラプンツェル おまえの髪をおろしておくれ」

優しく静かに語ることを心がけました

子どもたちに どんなに伝わったかはわかりませんが
いつか この語りが 心にふとよみがえることがあるかも

グリムや昔ばなしは
とてもさりげなく、何か大切なことを伝えているのかもしれませんね

愛に包まれた 幸せな結末

誰にも そんな幸せを!




  


Posted by あこちゃん at 21:59Comments(0)語り