辻村美月さん

2013年02月07日



辻村美月さんの本を 立て続けに4冊 読んだ

きっかけは この 「ツナグ」
ブックフレンドでもある しまちゃんから 手渡されたことが きっかけ。

一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれるという「使者」。
ツナグの仲介のもと再会した生者と死者。
それぞれの想いをかかえた一夜に もたらしたものは・・・。


一度だけ、逝った人との再会を叶えてくれるのなら、何を伝えますか──

自分はいったい   どうだろうか・・。

いくつかの再会の物語が
胸に迫ってくる

感情が いっぱいいっぱい この物語の中に 同化していくのがわかる

生。そして 死。

いろんな思いが 自分の中で重なり合うのだけれど

いつかあたたかい涙が こぼれている 自然に。

3日間の旅のおともに この「ツナグ」を連れて行ったのだけど 
すぐに ブックオフに駆け込んで
3冊あったから 3冊買って
また読む。


「ロードムービー」
・・・・運動神経抜群で学校の人気者のトシと気弱で友達の少ないワタル。
小学五年生の彼らはある日、家出を決意する。
きっかけは新学期。
組替えで親しくなった二人がクラスから孤立し始めたことだった。・・・・・

子どもが主人公の物語には
切ないような 懐かしさがあるような気がして読むのだけれど
でも、この物語の この子たちには 自分には決してなかっただろう 強さが胸を打つ
それは 恵まれていた自分の少女時代とは違う
この子たちだけの 乗り越えたものが そう育てたのかな
でも、それが 辻村美月さんの 紡いだ物語であることに
また、 作家としての 尊敬が沸き起こってきます



「光待つ場所へ」
・・・「私は何になりたいのだろう。どこへ行きたいのだろう」
やるせない感情に襲われた彼女の耳に飛び込んだの・・・。は
(「しあわせのこみち」)恥ずかしさと、息苦しさと、駆け出したくなるような衝動。
あの頃のすべてが詰まった、傑作青春小説全4編

辻村美月さんの作品は ほかの作品とリンクしているのも 面白いです
すんなり入ってくる 読み心地


そして、



「凍りのくじら」

藤子・F・不二雄うを 「先生」と呼び その作品を愛する父が疾走して5年
高校生理帆子の前に現れた青年・別所あきら。
彼の優しさが理帆子の心を癒していくが…。
家族と大切な人との繋がりを描く「少し不思議」な物語。

ドラえもんの道具がキーワードになってはいるものの
描く世界は 主人公の 切ない気持ちや イタイ気持ちや
でも、何かを求めているのであろう
探しているのであろうものが
心を動かしていく

私は読んでいて
途中 号泣してしまった
自分の父と母が亡くなり その死に 対面した時の つらくイタイものがそうさせたのだと思う

文中より 『・・・
        あなた ほめてくださいね
        私はこの子を立派に育てましたよね  感謝してくださいね
        今もどんどん 素敵な、魅力的な女性に成長し続けています。
        私の宝物です。
        あなたの妻として、理帆子の母親として、生きることができたこと。
        優しく、輝くような時間を、ともに過ごすことができたこと。


        理帆子、お父さんには言ってあげませんが
        その代わりに、あなたにあてて言いましょう。
        お母さんは、あなたに感謝しています・・・・」


そう、綴って 亡くなっていった母の思い

でも、この物語は そこから、また更に
大変なことが起こる
そして最後には ・・・・

心は もう 辻村美月さんに連れて行ってもらった物語世界でいっぱいです
これだから読書は やめられない
もしもこれから 現実世界の中でいろんなことがおこっても
物語から得た思いは
きっと いろんな場面で 背中を押したり ひっこめたり
そして 誰かへと つなげていく力に なるのだと
そう思わずにはいられない

とにかく 心臓までもぎゅうーーとするような
辻村作品です

  


Posted by あこちゃん at 21:25Comments(2)ブックトーク