読み比べブックトーク
2012年06月26日
「ピエタ」 大島真寿美著(ポプラ社)

18世紀、爛熟の時を迎えた水の都ヴェネツィア。
『四季』の作曲家ヴィヴァルディは、孤児を養育するピエタ慈善院で
〈合奏・合唱の娘たち〉を指導していた。
ある日、教え子のエミーリアのもとに、恩師の訃報が届く。
一枚の楽譜の謎に導かれ、物語の扉が開かれる――
ほんとうに、ほんとうに、
わたしたちは、幸せな捨て子だった。
史実を基に豊かに紡ぎだした傑作長編!
ほんとうに知りたかったのは、
母の正体ではなく、あなたの正体だった。
ほんとうはそうだったのに、そうと気づいたのはうんと後になってからだった。
あの人は誰だったのだろうと記憶の断片を取りだしては眺めてみる。
しげしげと眺めてみる。
どれだけ眺めても明瞭な答えはでない。
わたしはあの人の素顔を見たことがないから。(本文より)
聖と俗、生と死、男と女、真実と虚構、絶望と希望、名声と孤独・・・・・・
あらゆる対比がたくみに溶け合った、これぞまさに“調和の霊感”!
お友達からお借りして読んだ一冊!
「壮大な物語ですよ!」と言って手渡され一気に読んでしまいました。
作者の大島さんの 取材力も圧巻でした。
ヴェネチィアの風景も ものすごく浮かんできて、
連れて行ってもらいました。
心の動きが 外国なのにどこか身近にも感じられるのは
やはり日本人の作家さんだからなのでしょうか。
それから
この本を読んでいる間中
以前読んだあの一冊がずっと ダブっていました。
孤児を養育する施設・・・そして 会ったことのない母親への想い
どこか共通なものが 私には感じられました。
舞台は違うのだけど
その心の動きが似ているのか・・
いや、違うのだけど・・・
もう一度読み返してみなくっちゃ・・。
孤独・・それは逃れられないものがあるけれど
この一冊は
驚きの結末が この本の題名に繋がります。
せつない・・
フィクションなのに
現実でもあるかのような 離さない想いにかられます。
カズオイシグロさんの本をもっと読んでみたくなる吸引力もあった一冊でしたよ。
「私をはなさないで」カズオイシグロ著(早川書房)
自他共に認める優秀な介護人キャシー・Hは、提供者と呼ばれる人々を世話している。
キャシーが生まれ育った施設ヘールシャムの仲間も提供者だ。
共に青春の日々を送り、かたい絆で結ばれた親友のルースとトミーも彼女が介護した。
キャシーは病室のベッドに座り、あるいは病院へ車を走らせながら、
施設での奇妙な日々に思いをめぐらす。
図画工作に極端に力をいれた授業、毎週の健康診断、
保護官と呼ばれる教師たちの不思議な態度、
そして、キャシーと愛する人々がたどった数奇で皮肉な運命に…。
彼女の回想はヘールシャムの驚くべき真実を明かしていく—
介護士のキャシーは、全寮制の学院での青春の日々を思い出す。
次第に明かされる衝撃の事実を、世界文学の第一人者が痛切に描く傑作。
さて、このようなブックトークを
おうち文庫では開催します。
ぜひぜひご参加ください!
本好きな仲間集いませんか?
ご連絡お待ちしています。

18世紀、爛熟の時を迎えた水の都ヴェネツィア。
『四季』の作曲家ヴィヴァルディは、孤児を養育するピエタ慈善院で
〈合奏・合唱の娘たち〉を指導していた。
ある日、教え子のエミーリアのもとに、恩師の訃報が届く。
一枚の楽譜の謎に導かれ、物語の扉が開かれる――
ほんとうに、ほんとうに、
わたしたちは、幸せな捨て子だった。
史実を基に豊かに紡ぎだした傑作長編!
ほんとうに知りたかったのは、
母の正体ではなく、あなたの正体だった。
ほんとうはそうだったのに、そうと気づいたのはうんと後になってからだった。
あの人は誰だったのだろうと記憶の断片を取りだしては眺めてみる。
しげしげと眺めてみる。
どれだけ眺めても明瞭な答えはでない。
わたしはあの人の素顔を見たことがないから。(本文より)
聖と俗、生と死、男と女、真実と虚構、絶望と希望、名声と孤独・・・・・・
あらゆる対比がたくみに溶け合った、これぞまさに“調和の霊感”!
お友達からお借りして読んだ一冊!
「壮大な物語ですよ!」と言って手渡され一気に読んでしまいました。
作者の大島さんの 取材力も圧巻でした。
ヴェネチィアの風景も ものすごく浮かんできて、
連れて行ってもらいました。
心の動きが 外国なのにどこか身近にも感じられるのは
やはり日本人の作家さんだからなのでしょうか。
それから
この本を読んでいる間中
以前読んだあの一冊がずっと ダブっていました。
孤児を養育する施設・・・そして 会ったことのない母親への想い
どこか共通なものが 私には感じられました。
舞台は違うのだけど
その心の動きが似ているのか・・
いや、違うのだけど・・・
もう一度読み返してみなくっちゃ・・。
孤独・・それは逃れられないものがあるけれど
この一冊は
驚きの結末が この本の題名に繋がります。
せつない・・
フィクションなのに
現実でもあるかのような 離さない想いにかられます。
カズオイシグロさんの本をもっと読んでみたくなる吸引力もあった一冊でしたよ。
「私をはなさないで」カズオイシグロ著(早川書房)
自他共に認める優秀な介護人キャシー・Hは、提供者と呼ばれる人々を世話している。
キャシーが生まれ育った施設ヘールシャムの仲間も提供者だ。
共に青春の日々を送り、かたい絆で結ばれた親友のルースとトミーも彼女が介護した。
キャシーは病室のベッドに座り、あるいは病院へ車を走らせながら、
施設での奇妙な日々に思いをめぐらす。
図画工作に極端に力をいれた授業、毎週の健康診断、
保護官と呼ばれる教師たちの不思議な態度、
そして、キャシーと愛する人々がたどった数奇で皮肉な運命に…。
彼女の回想はヘールシャムの驚くべき真実を明かしていく—
介護士のキャシーは、全寮制の学院での青春の日々を思い出す。
次第に明かされる衝撃の事実を、世界文学の第一人者が痛切に描く傑作。
さて、このようなブックトークを
おうち文庫では開催します。
ぜひぜひご参加ください!
本好きな仲間集いませんか?
ご連絡お待ちしています。

Posted by あこちゃん at 21:50│Comments(0)
│小説